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警備業者の認定申請ガイド|警備業開業に必要な手続き・欠格事由・費用まとめ

警備業者の認定(公安委員会)の申請手数料は23,000円、審査期間30〜40日。施設警備・交通誘導・貴重品運搬等5業務区分ごとに警備員指導教育責任者の選任が必要。欠格事由・必要書類(個人・法人別)・申請フローを官公庁一次情報をもとに解説。

許認可ナビ編集部·

この記事でわかること

  • 警備業認定が必要な業務区分(施設警備・交通誘導・貴重品運搬・身辺警護・機械警備の5種)
  • 警備業法第3条の欠格事由(認定を受けられない条件)
  • 必要書類の全リスト(個人・法人別)
  • 申請手数料 23,000円審査期間 30〜40日有効期間 5年
  • 申請窓口(主たる営業所を管轄する警察署)
  • 警備員指導教育責任者の選任要件
  • 認定後の義務(変更届・掲示義務・5年ごとの更新)

警備業認定が必要なケース・不要なケース

警備業法第2条・第4条により、他人の需要に応じて営業として警備業務を行う場合は、都道府県公安委員会の認定が必要です。

警備業認定が必要な5業務区分

区分内容代表例
1号警備(施設警備)事務所・店舗・駐車場等の盗難・火災を警戒・防止ビル常駐警備、施設巡回
2号警備(雑踏・交通誘導)人・車両の雑踏する場所での負傷事故を防止イベント警備、工事現場の交通誘導
3号警備(貴重品運搬)運搬中の現金・貴金属・美術品の盗難を防止現金輸送、ATM補充
4号警備(身辺警護)人の身体に対する危害を身辺で警戒・防止ボディーガード、VIP警護
機械警備警備業務用機械装置を使用した施設警備遠隔監視システム、センサー警備

ポイント 複数の区分に跨る警備業務を行う場合、区分ごとに警備員指導教育責任者を選任する必要があります。1人で複数区分の資格者証を保有している場合も、兼任の届出が別途必要です。

認定不要なケース

  • 自社の施設・従業員を自社員が警備する場合(「他人の需要に応じて行う」に非該当)
  • 警察官・消防職員等が職務として行う警戒・警護活動
  • 営利目的のないボランティアによる地域パトロール

取得できない人(欠格事由・警備業法第3条)

以下のいずれかに該当する場合、警備業の認定を受けることができません。法人の場合は、役員のうち1人でも該当すれば認定不可となります。

  1. 破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者
  2. 拘禁刑以上の刑に処せられ、執行終了・執行猶予終了から5年を経過しない者(禁錮以上の刑および警備業法違反による罰金刑も含む)
  3. 最近5年間に警備業法・関係法令に違反して処分を受けた者
  4. 集団的・常習的に暴力行為等をするおそれがある者(暴力団員・準構成員等)
  5. 暴力団排除条例に基づく指示を受けた日から3年を経過しない者
  6. アルコール・麻薬・大麻・あへん・覚醒剤の中毒者
  7. 精神機能の障害により警備業務を適正に行えない者
  8. 18歳未満の者(警備員の要件としての欠格事由)
  9. 営業に関し成年者と同一の行為能力を有しない未成年者(親権者が欠格事由に該当する場合も不可)

重要 欠格事由は個人申請では申請者本人法人申請では役員全員について審査されます。役員に1名でも該当者がいる場合は認定が下りません。欠格事由の有無は身分証明書・登記されていないことの証明書・診断書で確認されます。

申請前の準備

警備員指導教育責任者の確保

警備業認定の申請にあたり、営業所ごと・警備業務の区分ごとに警備員指導教育責任者を1名以上選任する必要があります(警備業法第22条)。

警備員指導教育責任者になるには、警備業務区分ごとの**「警備員指導教育責任者資格者証」**を取得していなければなりません。資格者証は都道府県公安委員会が実施する試験(学科試験+実技試験)に合格することで取得できます。

  • 1号資格者証: 施設警備・機械警備の指導教育に対応
  • 2号資格者証: 雑踏・交通誘導警備の指導教育に対応
  • 3号資格者証: 貴重品運搬警備の指導教育に対応
  • 4号資格者証: 身辺警護の指導教育に対応

ポイント 認定申請の前に資格者証の保有者が必要です。資格試験の日程は都道府県警察本部のWebサイトで確認してください。試験合格から資格者証交付まで数週間かかる場合があります。

欠格事由の事前確認と必要証明書の入手

欠格事由に該当しないことを証明するため、以下の書類を取得しておきます。発行に時間がかかる書類があるため、申請の1〜2ヶ月前から準備を開始することを推奨します。

  • 身分証明書(本籍地の市区町村窓口): 破産・禁治産等に該当しないことの証明
  • 登記されていないことの証明書(法務局): 成年被後見人・被保佐人でないことの証明。法務局の窓口申請またはオンライン申請が可能
  • 診断書(公安委員会指定様式): かかりつけ医または精神科・神経科医が作成

法人の場合は定款・登記事項証明書の準備

法人(株式会社・合同会社等)で申請する場合、役員全員分の各種書類に加えて、以下が必要です。

  • 定款の写し(現行定款)
  • 登記事項証明書(法務局で取得。3ヶ月以内のもの)

役員が多い法人は書類の量が増えるため、早めに準備を始めましょう。行政書士に依頼する場合は書類収集代行も対応してもらえます。

必要書類一覧(個人申請)

書類取得先注意点
認定(認定更新)申請書警察署窓口 / 警察本部Web様式は都道府県警察本部が公表
別紙1(営業所・警備員指導教育責任者)申請者作成営業所ごとに記載
誓約書警察署窓口 / Web欠格事由非該当の誓約
履歴書申請者作成直近5年以上の職歴を記載
住民票の写し市区町村窓口本籍地記載・マイナンバー不記載のもの
身分証明書本籍地の市区町村窓口破産・禁治産等の証明
登記されていないことの証明書法務局成年被後見人等でないことの証明
診断書医療機関公安委員会指定の様式を使用
警備員指導教育責任者資格者証の写し資格者証保有者区分ごとに必要

重要 住民票は「本籍地記載あり・マイナンバー記載なし」を指定して取得してください。マイナンバーが記載されたものは行政手続きで使用できません。

警備業認定申請書 別記様式第1号(第3条関係)の記載例。申請者名・住所・法人種別・生年月日の記入欄がある
警備業認定申請書(別記様式第1号)の記載例。申請者の氏名・住所・法人等の種別・生年月日などを記入する。東京都の場合は「東京都 公安委員会 殿」宛に提出。出典:警視庁 警備業法等に係る申請書

必要書類一覧(法人申請の追加書類)

法人(株式会社・合同会社・NPO法人等)で申請する場合は、個人申請の書類に加えて以下が必要です。

書類取得先対象
登記事項証明書法務局(窓口 / オンライン)法人本体
定款の写し申請法人が保管法人本体
役員全員の履歴書各役員が作成役員全員
役員全員の住民票(本籍地記載)各役員の住民登録地の市区町村役員全員
役員全員の身分証明書各役員の本籍地市区町村役員全員
役員全員の登記されていないことの証明書法務局役員全員
役員全員の診断書医療機関役員全員
役員全員の誓約書警察署窓口 / Web役員全員

役員数が多い法人は書類の総量がかなり多くなります。役員3名の法人の場合、個人申請の約3〜4倍の書類量になることを想定しておきましょう。

申請書の重要項目:記入ミスが起きやすい欄

警備業認定申請書で特に注意が必要な記入箇所を解説します。

「警備業務の区分」欄

予定している警備業務のすべての区分にチェックを入れます。後から区分を追加する場合は変更届が必要になります。将来的に行う可能性がある業務区分は最初から申請しておくことを検討してください。

「警備員指導教育責任者」欄(別紙1)

各区分の指導教育責任者について、資格者証に記載されている氏名・資格者証番号・交付公安委員会名を正確に記入します。

重要 記入した警備員指導教育責任者が退職・辞任した場合、30日以内に変更届の提出が義務付けられています。後任者が未選任のままだと認定取消の対象になる場合があります。

「法人等の種別」欄

個人・株式会社・合同会社・持分会社・財団法人・社団法人・その他から選択します。NPO法人は「その他」に該当します。

「申請日」欄

申請書に記載する日付は警察署窓口に持参する当日の日付を記入します。事前に書類作成時の日付を記入すると、審査が遅れる原因になる場合があります。

警備業認定申請書 別紙1の記載例。主たる営業所の名称・住所・警備業務の区分・警備員指導教育責任者の情報を記入する欄がある
別紙1「当該都道府県の区域内に設けようとする営業所」の記載例。主たる営業所の警備業務の区分、警備員指導教育責任者の氏名・資格者証番号・選任に係る区分を記入する。出典:警視庁 警備業法等に係る申請書

申請の流れ(STEP1〜6)

STEP 1:欠格事由の確認・書類準備の開始(目安:申請2ヶ月前)

警備業法第3条の欠格事由に該当しないことを確認します。法人の場合は役員全員について確認が必要です。身分証明書・登記されていないことの証明書は取得に数日〜2週間かかる場合があるため、早めに準備を始めます。

STEP 2:警備員指導教育責任者の選任(目安:申請1〜2ヶ月前)

事業として行う警備業務の区分に対応した「警備員指導教育責任者資格者証」保有者を選任します。資格者証の取得には都道府県公安委員会が実施する試験への合格が必要です。試験申込〜合格〜資格者証交付まで2〜3ヶ月かかる場合があります。

STEP 3:申請書類の作成・収集(目安:申請1ヶ月前)

認定申請書・別紙1・誓約書・履歴書は申請者が作成します。住民票(本籍地記載)・診断書・身分証明書・登記されていないことの証明書は窓口等で取得します。法人の場合は登記事項証明書・定款の写しと役員全員分の各書類を揃えます。

STEP 4:事前相談・申請書提出(目安:申請窓口の予約から)

主たる営業所を管轄する警察署の生活安全課に事前連絡の上、申請書類一式を持参します。書類不備があると差し戻しになるため、事前に電話で相談することを推奨します。申請時に手数料 23,000円(収入証紙または電子マネー等、都道府県により異なる)を納付します。

STEP 5:公安委員会による審査(目安:30〜40日)

警察署を経由して都道府県公安委員会が審査を行います。欠格事由の有無・書類の適正を審査します。標準処理期間は30〜40日(警視庁は概ね40日)です。書類に不備がある場合は補正の連絡があり、補正期間中は審査が停止します。

STEP 6:認定通知・営業開始届出

欠格事由に該当しないと認められた場合、認定の通知を受けます。認定後は認定番号の告知義務(名刺・制服・車両等への認定番号の表示)と営業開始の届出(警察署経由で公安委員会へ)が必要です。認定証を受け取ってから営業を開始します。

費用と審査期間のまとめ

項目内容
申請手数料23,000円(都道府県により異なる場合あり)
審査期間30〜40日(標準処理期間。書類不備で延長の可能性)
有効期間5年(期間満了前に更新申請が必要)
更新手数料23,000円(新規と同額)
行政書士報酬の目安50,000〜150,000円程度(書類収集代行を含む場合)
書類取得費住民票300〜500円 / 登記されていないことの証明書550円(法務局) / 診断書5,000〜10,000円程度

ポイント 行政書士に依頼する場合の総費用(手数料+報酬+書類取得費)は80,000〜200,000円程度が相場です。役員が多い法人は書類収集の手数が増えるため費用も高くなります。

よくある失敗パターン(申請前に必ず確認)

失敗1: 警備員指導教育責任者が未確保のまま申請を進めた

最も多いパターンです。資格試験の合格と資格者証の交付が必要なため、申請準備の早い段階で確保できているか確認が必要です。資格者証交付前に申請しても受理されません。

失敗2: 役員の欠格事由を見落とした

法人の場合、役員全員について欠格事由の確認が必要ですが、過去の軽微な違反や処分を見落とすケースがあります。「5年間」という期間制限があるため、履歴を詳細に確認することが重要です。

失敗3: 住民票に本籍地が記載されていない

住民票を取得する際に「本籍地の記載あり」を指定しなかったため、取り直しになるケースです。市区町村窓口やコンビニで取得する際は必ず「本籍地記載あり・マイナンバー記載なし」を指定してください。

重要 診断書は公安委員会が指定する様式を使用する必要があります。一般的な健康診断書や既存の診断書は使用できません。警察署または警察本部Webサイトで様式を入手してから医療機関に持参してください。

失敗4: 警備業務の区分を1つしか申請しなかった

施設警備と交通誘導の両方を行う予定にもかかわらず、1号のみで申請したケースです。後から区分を追加する場合は変更届が必要になります。開業時から行う予定のある区分はすべて申請しておくことを推奨します。

失敗5: 申請窓口の管轄を誤った

主たる営業所の所在地を管轄する警察署が申請先です。本社(登記上の住所)と主たる営業所の所在地が異なる場合、主たる営業所の管轄警察署に申請する必要があります。事前に管轄警察署を確認しておきましょう。

5年ごとの更新・変更が生じた場合の手続き

5年ごとの認定更新

警備業の認定は有効期間5年で、期間満了前に更新申請が必要です。更新手続きは新規申請とほぼ同様の書類が必要で、手数料も23,000円です。有効期間が満了した場合、警備業務を継続することはできません。

更新申請の受付は満了の3ヶ月前から可能な都道府県が多いため、余裕をもって準備を始めましょう。

変更が生じた場合の届出(警備業法第11条)

以下の事項に変更があった場合、30日以内に変更届出書を提出する義務があります。

  • 氏名・名称または住所
  • 法人の役員の構成変更
  • 警備員指導教育責任者の変更・辞任
  • 営業所の新設・廃止・変更
  • 警備業務の区分の変更

変更届の提出を怠ると、30万円以下の罰金(警備業法第57条)の対象となります。

取得後の義務(掲示・記録・管理)

認定番号の告知義務(掲示義務)

警備業者は、取引の相手方(依頼主)から請求があった場合、認定証を提示する義務があります(警備業法第8条)。また、警備員が業務に従事する際には、氏名・所属警備業者名・認定番号が表示された警備員証を携帯させ、依頼主または利用者から提示を求められた場合に提示させなければなりません。

重要 警備業者は事務所に認定番号を表示した標識を掲示する義務があります(警備業法第48条)。所定の様式による標識の掲示を怠ると行政処分の対象となります。

警備員の教育義務(警備業法第21条)

警備業者は、警備員が警備業務を行うために必要な知識・技能を習得させるための教育を行う義務があります。警備員指導教育責任者は年間の教育計画を作成し、実施記録を保管する必要があります。

帳簿の備え付け(警備業法第45条)

警備業者は、各営業所に帳簿を備え付け、依頼主・業務区分・配置した警備員の氏名等を記載しなければなりません。帳簿は5年間保存が義務付けられています。

廃業等の届出(警備業法第16条)

廃業・認定の失効(欠格事由該当等)が生じた場合は、30日以内に都道府県公安委員会に届出が必要です。

警備業の誓約書(警備員用)の様式。18歳未満・破産者・拘禁刑以上等8つの欠格事由に該当しないことを記載する
誓約書(警備員用)の様式。欠格事由8項目「のいずれにも該当しない」ことを誓約する書面。警備員として就業する際にも提出が必要で、採用時のチェックリストとして活用できる。出典:警視庁 誓約書(警備員用)

まとめ

警備業認定の申請は、警備業法に基づく厳格な要件(欠格事由・警備員指導教育責任者の選任・各種書類の収集)があり、準備期間を含めると2〜4ヶ月かかることが多い手続きです。

申請のポイント整理:

  • 申請先: 主たる営業所を管轄する警察署(公安委員会への申請を代行)
  • 手数料: 23,000円(新規・更新とも同額)
  • 審査期間: 30〜40日
  • 有効期間: 5年(更新が必要)
  • 最重要事前準備: 警備員指導教育責任者資格者証保有者の確保

書類の種類が多く、法人の場合は役員全員分の書類が必要なため、申請実務に慣れた行政書士への依頼を検討することで、申請の抜け漏れや差し戻しリスクを大幅に軽減できます。警備業開業を検討している場合は、早い段階から専門家に相談することをお勧めします。

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許認可ナビ編集部

行政書士・法務専門家と連携し、許認可・行政手続きの正確な情報を提供しています。掲載内容は官公庁の公式情報をもとに作成し、定期的に更新しています。

最終更新:2026年5月15日

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