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釣具店を開業するために必要な許認可|古物商許可を中心に申請手順を解説
中古釣具の売買には古物商許可(手数料**19,000円**・審査期間**30〜40日**)が必要。申請先は管轄警察署の防犯係で、許可証は無期限有効。釣具の古物区分(道具類・機械工具類等)の正しい選び方とネット転売時の届出も解説。
この記事でわかること
この記事では、釣具店の開業に必要な許認可について解説します。
- 釣具店が古物商許可を必要とするケースと不要なケース
- 古物商許可の申請手数料(19,000円)と審査期間(30〜40日)
- 申請に必要な書類8点の内容と取得先
- 申請から許可証交付までのSTEP別の流れ
- 釣具店特有の古物区分の選び方(道具類・機械工具類・衣類)
- ネット販売・フリマアプリで中古釣具を転売する際の手続き
- 取得後の義務(標識掲示・帳簿作成・変更届・廃業届)
- よくある失敗パターン5選と回避策
釣具店の開業に必要な許認可の種類
釣具店は取り扱う商品の種類によって必要な許認可が異なります。
古物商許可が必要な場合
中古釣具(中古ルアー・中古ロッド・中古リール・中古ウェーダー等)の買い取り・販売を行う場合は、古物営業法第3条第1項に基づく古物商許可が必須です。
具体的には以下のケースが該当します:
- 顧客から中古釣具を買い取って店頭・ネットで販売する
- フリマアプリ・ネットオークションで中古釣具を仕入れて転売する(反復継続して行う場合)
- 釣具の委託販売を業として行う
重要 古物商許可なしに中古品の売買を業として行った場合、3年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金(古物営業法第31条)の対象となります。営業開始前に必ず許可証を取得してください。
古物商許可が不要な場合
以下のケースは古物商許可が不要です:
- 新品釣具のみを販売する場合(古物の取り扱いがない)
- 自分で使用した不要な釣具を不定期に売却するだけの場合(業として反復継続しない場合)
- 無償で引き取った釣具を販売する場合(古物の定義に該当しない)
開業時に必要なその他の手続き
古物商許可に加え、釣具店の開業時には以下の手続きも必要です:
| 手続き | 提出先 | 期限 |
|---|---|---|
| 個人事業の開業届 | 税務署 | 開業から1か月以内 |
| 給与支払事務所等の開設届出 | 税務署 | 従業員を雇う場合 |
| 防火対象物使用開始届出 | 消防署 | 使用開始7日前まで |
| 社会保険・労働保険の加入 | 年金事務所・労働基準監督署 | 従業員を雇う場合 |
釣具店に関連する業種情報
古物商許可を取得できない人(欠格事由)
古物営業法第4条では、以下に該当する場合は古物商許可を受けることができません。申請前に必ず確認してください。
- 禁錮以上の刑(古物営業法・刑法・暴力行為等処罰法違反・盗犯等防止法違反等)に処せられ、5年を経過していない者
- 住所の定まらない者
- 古物商の許可を取り消され、取り消しから5年を経過していない者
- 未成年者(ただし、管理者を別に確保できる場合は申請可能)
- 暴力団員等、または暴力団員でなくなった日から5年を経過していない者
注意 欠格事由の確認不足が原因で申請が却下されるケースがあります。「身分証明書」(本籍地の市区町村が発行する破産手続開始の決定を受けていないことの証明書)の準備が必要です。
法人申請の場合は、役員全員が欠格事由に該当しないことが必要です。取締役・監査役全員分の誓約書・住民票・身分証明書を準備してください。
申請前の準備
古物商許可の申請前に以下の3点を確認・準備してください。
1. 古物区分(取り扱い品目)の確認
古物営業法では、中古品を13の「古物の区分」に分類しています。申請書には取り扱う区分を記載するため、事前に取り扱い予定の商品の区分を確認することが必要です。
釣具店で関係する主な区分は以下の通りです:
| 区分 | 対象となる釣具の例 |
|---|---|
| 道具類(10号) | ロッド・リール・ランタン・クーラーボックス・ウェーダー・タックルケース等 |
| 機械工具類(9号) | 電動リール・魚群探知機・GPSプロッター等の電子機器類 |
| 衣類(2号) | 防寒ウェア・レインウェア・ライフジャケット等の衣料品 |
複数の区分を取り扱う場合は、すべての区分にチェックを入れる必要があります。区分の追加は後日変更届で対応可能ですが、申請時に確認しておくとスムーズです。
2. 管轄警察署の特定
古物商許可の申請先は、営業所の所在地を管轄する都道府県公安委員会です。実際の窓口は管轄警察署の防犯係(または生活安全課)になります。
複数の都道府県に営業所を持つ場合は、各都道府県の公安委員会に別々に申請が必要です。
確認先 申請する警察署と電話番号・受付時間は、各都道府県警察の公式サイトで確認してください。事前に電話で受付日時を確認すると安心です。
3. 申請書類の取得先と準備期間
書類の発行には時間がかかるものがあります。申請日の2〜3週間前から準備を始めましょう。
| 書類 | 発行先 | 発行目安 |
|---|---|---|
| 住民票の写し | 市区町村役場 | 即日〜数日 |
| 身分証明書 | 本籍地の市区町村役場 | 即日〜1週間 |
| 略歴書 | 自分で作成 | 数日 |
| 誓約書 | 警察署指定様式 | 窓口取得後即日 |
必要書類一覧(個人申請の場合)
個人で古物商許可を申請する場合に必要な書類は以下の8点です。
| 書類 | 内容・注意点 | 入手先 |
|---|---|---|
| 許可申請書 | 古物営業法施行規則 別記様式第1号 | 警察署窓口または警察庁Webサイト |
| 略歴書 | 最近5年間の職歴・学歴等を記載 | 自己作成(様式は警察署窓口で入手) |
| 住民票の写し | 本籍記載のもの。発行から3か月以内のもの | 市区町村役場・コンビニ交付 |
| 身分証明書 | 破産手続開始の決定を受けていないことの証明。運転免許証とは別物 | 本籍地の市区町村役場 |
| 誓約書 | 欠格事由に該当しない旨の誓約 | 警察署指定様式(窓口取得) |
| 手数料納付書 | 申請手数料19,000円の都道府県収入証紙を貼付 | 都道府県庁・証紙販売所 |
| URLの使用権限を疎明する資料 | ホームページ・ネット販売を行う場合のみ必要 | ドメイン登録情報のスクリーンショット等 |
| 営業所の平面図 | 一部都道府県で要求される場合がある | 自己作成 |
落とし穴 「身分証明書」は市区町村役場が発行する公的証明書で、運転免許証・マイナンバーカードとはまったく別の書類です。本籍地の役場(遠方の場合は郵便請求も可)で取得してください。郵便請求の場合は到着まで1週間以上かかることがあります。
なお、必要書類は都道府県によって一部異なる場合があります。申請先の警察署に事前確認することをお勧めします。

法人申請の場合に追加で必要な書類
釣具店を法人として開業する場合、個人申請の書類に加えて以下が必要です。
| 追加書類 | 内容・注意点 | 入手先 |
|---|---|---|
| 登記事項証明書(全部事項証明書) | 発行から3か月以内のもの | 法務局(オンライン取得可) |
| 定款の写し | 事業目的に「古物の売買」等の古物営業に関する記載が必要 | 法人内部文書(認証コピー等) |
| 役員全員の住民票・誓約書・略歴書・身分証明書 | 取締役・監査役全員分が必要 | 各役員が個別に取得 |
定款の注意点 定款の事業目的に「古物の売買」や「古物商」の記載がない場合、定款変更の手続き(株主総会決議等)が必要になります。会社設立時から釣具店を想定している場合は、定款作成段階で事業目的に古物営業を盛り込んでおくことをお勧めします。
申請書の重要記入ポイント(ミスが起きやすい欄)
申請書の記入時に特に間違いやすい箇所を解説します。
古物の区分(取り扱い品目欄) 釣具店で取り扱う品目の区分にすべてチェックを入れてください。記載漏れがあると、該当する古物の取り扱いが許可されません。ルアー・ロッド・リールを扱う場合は「道具類(10号)」、電動リール・魚群探知機を扱う場合は「機械工具類(9号)」も必要です。
行商の別(行商する/しない) 自店以外(露店・フリーマーケット等)でも古物の取り扱いを行う予定がある場合は「行商する」を選択します。自店のみの場合は「行商しない」で問題ありません。
変更は届出で対応可能 申請後に行商の有無が変わった場合は、変更届を提出することで対応できます。ただし変更届が受理されるまでは変更前の内容が有効です。
営業所の所在地と管理者 営業所(釣具店舗)の住所と、古物商の管理者(営業所ごとに設置義務がある責任者)の氏名・住所を正確に記載します。管理者は申請者本人でも別の人物でも可能です(欠格事由非該当が条件)。

申請の流れ(STEP1〜6)
STEP 1:取り扱い品目・管轄警察署の確認(目安:3〜5日)
釣具店で取り扱う中古品の古物区分を確認し、営業所の所在地を管轄する警察署を特定します。警察署の防犯係に電話して申請書類一式を確認しておくとスムーズです。
STEP 2:必要書類の準備(目安:1〜3週間)
住民票・身分証明書(本籍地発行)・略歴書・誓約書を揃えます。身分証明書は本籍地が遠方の場合は郵便請求できますが、到着まで1週間程度かかることがあります。書類は発行から3か月以内のものが有効です。
STEP 3:許可申請書の作成(目安:1〜2日)
警察署窓口または警察庁Webサイトから申請書様式を取得し、必要事項を記入します。記入後は誤字・脱字・押印漏れがないか必ず確認してください。
STEP 4:申請書の提出と手数料納付(所要時間:1〜2時間)
管轄警察署の防犯係(または生活安全課)に書類一式を提出します。手数料19,000円分の都道府県収入証紙を事前に購入して申請書に貼付してください。
受付は平日のみ 警察署の申請窓口は平日の開庁時間(多くの場合9:00〜17:00)のみ受け付けます。来庁前に事前予約が必要な場合もあるため、必ず事前確認してください。
STEP 5:審査(標準処理期間:30〜40日)
公安委員会が欠格事由の有無・申請書類の正確性を審査します。不備があると補正を求められ、審査期間が延びることがあります。
STEP 6:許可証の交付と営業開始(所要時間:30分程度)
審査通過後、警察署から連絡が来たら窓口で許可証を受け取ります。許可証の交付後に営業を開始できます。許可証受領前の営業は無許可営業として違法です。
費用と審査期間
| 項目 | 自分で申請 | 行政書士に依頼 |
|---|---|---|
| 申請手数料 | 19,000円 | 19,000円 |
| 行政書士報酬 | なし | 30,000〜70,000円程度 |
| 合計目安 | 19,000円 | 49,000〜89,000円 |
| 申請準備期間 | 1〜3週間 | 1〜2週間(書類作成を代行) |
| 審査期間 | 30〜40日 | 30〜40日(同一) |
有効期限は無期限 古物商許可証に有効期限はありません。ただし、営業所の移転・廃業・変更の際は届出が必要です。
申請手数料19,000円は、申請が却下された場合でも返還されません。書類に不備がないよう事前に十分確認してから提出することが重要です。
古物商許可の詳細ページ
よくある失敗パターン5選
釣具店の古物商許可申請で実際に多い失敗パターンを紹介します。
失敗1:許可証交付前に営業を開始してしまった 審査期間(30〜40日)の途中で営業を始めてしまうケースがあります。古物商許可は「許可証を受け取った後」から有効です。審査中の営業は無許可営業として3年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金の対象になります。
失敗2:身分証明書と住民票を混同した 「身分証明書」は本籍地の市区町村が発行する書類で、運転免許証・マイナンバーカードとは別物です。本籍地が居住地と異なる場合、郵便請求で1週間以上かかることも。申請日の3週間前から準備を始めることをお勧めします。
失敗3:古物区分を1つだけ申請して後から困った ロッド・リールのみで申請したが、開業後に中古ウェア(衣類)も扱いたくなった、というケースがあります。後から変更届で追加対応はできますが、手間がかかります。取り扱い予定の品目を開業前に洗い出して申請することが重要です。
失敗4:ネット販売時にURLの届出を忘れた ホームページやフリマアプリを使って中古釣具を販売する場合、URLを申請書に記載または変更届で届出する必要があります(古物営業法施行規則)。届出なしでのネット販売は法令違反となります。
失敗5:法人の定款に古物営業の目的記載がなかった 法人として申請する際、定款の事業目的に「古物の売買」等の記載が必要です。記載がない場合は定款変更(株主総会決議)の手続きが追加で必要となり、申請が大幅に遅れます。
釣具店特有の注意点:古物区分の選び方
釣具店が古物商許可を申請する際に迷いやすいポイントが「古物区分」の選択です。
道具類(10号)が基本
ロッド・リール・ランタン・クーラーボックス・タックルバッグ等の「道具」は**道具類(10号)**に分類されます。釣具店で中古品を扱う場合、まず道具類の選択が基本となります。
電動リール・電子機器は機械工具類(9号)
電動リール(電動巻き上げ機能付き)・魚群探知機・GPSプロッター等は、モーターや電子回路を内蔵するため**機械工具類(9号)**に分類されます。電動リールを扱う場合は道具類と機械工具類の両方にチェックが必要です。
中古ウェア・ライフジャケットは衣類(2号)
防寒ウェア・レインウェア・ライフジャケット等の衣料品は**衣類(2号)**に分類されます。フィッシングウェアを取り扱う場合は衣類の選択も忘れずに。
判断に迷ったら警察署に相談 取り扱い予定の商品が何号の区分に該当するか判断に迷った場合は、管轄警察署の防犯係に相談するのが最も確実です。誤った区分で申請して後から変更するより、申請前に確認しておく方が安全です。
ネット販売・フリマアプリで中古釣具を販売する場合
フリマアプリ(メルカリ等)・オークションサイト・自社ECサイト等で中古釣具を販売する場合は、古物商許可に加えてURLの届出が必要です。
URLの届出方法
販売に使用するWebサイトのURLを、申請書の「URLの使用権限を疎明する資料」欄に記載するとともに、URLの使用権限を証明する書類(ドメイン登録情報のスクリーンショット等)を添付します。
すでに許可を取得している場合は、新たにネット販売を開始する前に変更届でURLを届出してください。
フリマアプリ・オークションの場合
メルカリ・ヤフオク等のプラットフォームで中古釣具を販売する場合も古物商許可が必要です。URLについては自分のストアページのURL(個人ページURL等)を届出します。
「業として」の判断基準 1〜2回の不用品処分はグレーゾーンですが、利益目的で継続的・反復的に仕入れて販売している場合は「業として」古物営業を行っているとみなされます。月に複数回の取引がある場合は古物商許可の取得をお勧めします。
許可取得後の義務
古物商許可を取得した後も、以下の義務が継続します。
標識(プレート)の掲示義務
釣具店の営業所に、古物商の標識を見やすい場所に掲示する義務があります(古物営業法第12条)。標識のサイズは縦8cm×横16cm以上で、商号・許可番号・氏名を記載します。警察署または専門業者から入手できます。
帳簿(取引記録)の作成・保存義務
中古釣具の買い取り・販売の際は、取引内容(品名・数量・取引相手の住所氏名・日時)を帳簿に記録する義務があります(古物営業法第16条)。
- 記録方法:帳簿(紙)または電磁的記録(パソコン・タブレット等)
- 保存期間:3年間
- 未記録・虚偽記録は行政処分(指示・営業停止)の対象
変更届の提出義務
以下の事項が変わった場合は、変更届を管轄警察署に提出する必要があります:
- 氏名・住所
- 営業所の所在地・名称
- 取り扱う古物の区分
- ホームページのURL
- 管理者の変更
廃業届の提出義務
釣具店を廃業する場合は、廃業等届出書を管轄警察署に提出し、許可証を返納します。

まとめ
釣具店を開業して中古釣具の売買を行う場合は、古物商許可の取得が必須です。
許可取得のポイントをまとめます:
- 申請手数料:19,000円(都道府県収入証紙)
- 審査期間:30〜40日(標準処理期間)
- 有効期限:無期限(更新不要)
- 申請窓口:管轄警察署の防犯係(平日のみ受付)
- 釣具の古物区分:道具類(10号)が基本。電動リールは機械工具類(9号)も追加
申請書類の準備(特に身分証明書の取得)には時間がかかるため、開業予定日の2〜3か月前から手続きを開始することをお勧めします。
書類の準備・記入内容に不安がある方は、行政書士への依頼も有効な選択肢です。行政書士は書類作成の代行から窓口提出まで対応でき、申請の確実性を高めることができます。
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許認可ナビ編集部
行政書士・法務専門家と連携し、許認可・行政手続きの正確な情報を提供しています。掲載内容は官公庁の公式情報をもとに作成し、定期的に更新しています。
最終更新:2026年5月7日
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